闇に潜む敵を射て!――本物の弓を使ったARシューティング『Shadow Shooter』[東京ゲームショウ2015]

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 「東京ゲームショウ2015」のインディーゲームコーナーに出展した同人ゲームサークル「Project ICKX」のブースにお邪魔した時の話(cf.美しくも恐ろしいST2――Project ICKX東京ゲームショウ2015レポート[VERTICAL STRIKE])。
 ICKXの中の人曰く「面白い物があるのだけど、明日(一般公開日2日目)はいないんで今の内に」ということで、神奈川工科大学情報メディア学科 安本匡佑助教のアーチェリー弓を使ったAR(拡張現実)シューティング『Shadow Shooter』を見学させてもらった。

本物の弓を使ったARシューティング『Shadow Shooter』1
本物の弓を使ったARシューティング『Shadow Shooter』2


 『Shadow Shooter』は、アーチェリー弓にPC・プロジェクター・レーザーポインター・各種センサーを組み込んだ「参式電子弓」をコントローラーとして使う、真っ暗な部屋の中で敵を探して矢で撃つシューティングゲームである。
 


 
 参式電子弓のプロジェクターからは狭い範囲の映像しか映し出されないが、弓を上下左右360度に向けるとその方向の映像が見えるので、「弓を向けて敵を探す→見つけたら実際に弓を引いて矢を放つ」がこのゲームの基本となる。
 映像の範囲が狭いというのはネックに見えるが、『Shadow Shooter』はそれを逆手に取り、ゲームの舞台を真っ暗な部屋にすることで「映像の範囲が狭い」を「懐中電灯で照らした範囲しか見えない」に変え、ホラーな臨場感・没入感をプレイヤーに与える仕掛けにしてみせている。ヘッドマウントディスプレイと弓の組み合わせでも同じ事が出来るのではと思えるが、プロジェクターで投影した映像の方が奥行きの感覚がリアルなんだそうな。

『Shadow Shooter』ポスター
『Shadow Shooter』説明

 東京ゲームショウでは明るい場所での展示となるため、ゲームの基本である「弓を向けて敵を探す→見つけたら実際に弓を引いて矢を放つ」を体感してもらう的当てゲームを展示していた。本来の『Shadow Shooter』は、

  • 敵の姿を直接見ることは出来ず、気配しか分からない。
  • 気配を頼りに光の矢を放つと、矢の光によって敵の姿を視認できるようになる。
  • 姿を見せた敵を矢で射る。

――という内容になっている。なお、弓を傾けて撃つと、長時間周囲を照らしたり、障害物を作って敵の動きを妨害する効果がある特殊な矢を放つことが出来るとのこと。
 
 さて、『Shadow Shooter』の矢はコントローラーの弓を引いた量によって速度(威力)や飛距離が変わる。では、システムはどのようにして弓を引いた量を測っているのだろうか?

『Shadow Shooter』の歪みセンサー

 答えは「弓本体の歪み(ひずみ)」。写真で安本さんが指差している箇所に「歪みセンサー」が取り付けられていて、これで弓にどれだけ力が掛かっているかを測定し、矢の速度や飛距離が決定される。安本さん曰く、始めは弦を放した時の衝撃の強さを指標にしていたが、衝撃だと誤作動を起こす場合があったので、弓の歪みを指標に採用したという。
 
 『Shadow Shooter』と参式電子弓は製品化を目指しているが、ブラッシュアップのためには億を超えるお金が必要で、現在は開発資金の調達に動いているとのこと。『Shadow Shooter』は今年7月に開催された「アート&テクノロジー東北2015」で優秀賞を受賞していて(cf.神奈川工科大学公式サイト)、受賞も切っ掛けとなって企業と交渉を行っているという。センサー周りが特にコストが掛かるそうで、精度を追求するとコストがべらぼうに膨れ上がる的な話もあった。
 
 あと、会場ではおまけとして『VISTouch』というアプリも展示していた。これも「アート&テクノロジー東北2015」で優秀賞を受賞している。
 


 
 これは専用のケースを装着させたスマホをタブレットにタッチさせることで、タブレットで2D表示されている物をスマホで3D表示するというアプリである。デモ動画では、タブレットに2D情報であるGoogleマップを表示し、スマホではタッチした場所の3D情報としてストリートビューを表示させるという使い方を見せている。ちなみに、スマホをタブレットに付けたまま後ろに傾かせると、ストリートビューで言うなら空を見上げることも出来る。
 スマホに専用のケースを装着させると書いたが、これはスマホを識別するための物であり、タブレットとの接触面に付いている出っ張りの数や位置がケースごとに異なる。これにより1つのタブレットに複数のスマホをタッチさせ、それぞれのスマホで異なる3D情報を表示させるという事も可能である。
 一緒に見学した人は、『VISTouch』は例えばテーブルゲームで利用出来るのではと言っていた。

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