初インタビュー記事を読んでの雑感[エースコンバット インフィニティ]

エースコンバット インフィニティ
東京ゲームショウ2013特設ページ[エースコンバット インフィニティ]

 東京ゲームショウ2013(9月19日~22日)でのプレイアブル出展】が予定されているエースコンバット インフィニティ』。
 ファミ通8月22日発売号の「Free To Play(F2P)最前線」という特集記事に『エスコンINF』の紹介と河野プロデューサーのインタビューが掲載されていたので、記事を読んでの雑感を書いてみる。

ファミ通の記事には同じバンナムのF2Pソフト『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』の桑原プロデューサーのインタビュー記事もあるが、どうやら『エスコンINF』は『バトオペ』を参考にしている感じがするので、インタビューやCEDEC2013の講演にも目を通すことをお勧めする。
4Gamer.net – [CEDEC 2013]「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」におけるF2P導入が紹介されたセッションをレポート
 神奈川県のパシフィコ横浜で開催されている「CEDEC2013」で,2013年8月21日,PS3用ソフト「機動戦士ガンダムバトルオペレーション」を題材とした「家庭用ゲーム機でFreetoPlayゲームを開発したらこうなった!〜バトオペの事例〜」というセッションが行われた。平等な条件を理想とする対人戦に課金モデルをどのよ…

世界設定は未だに謎

ほぼすべてを新規に作り上げた最新作です。過去シリーズの世界設定とは異なる……とも言い切れない。

――と、『エスコンINF』の世界設定については話をはぐらかされた。

ご新規さん開拓のためのF2P

 ファミ通のインタビューでは

  • 500万本売れるタイプは莫大な投資で成功している。
  • 50万本くらいのタイトルは適した開発サイズでヒットを生んでいる。

となっているけど、この間にあるブランド――エースコンバットは企業の投資意思決定の観点で微妙な位置にいるそうな。
 この状況を打破するために「まずは戦闘機ゲームが好きなプレイヤーを増やしたい」、フライトシューティングというジャンルのすそ野を広げたいということで『エスコンINF』はF2Pソフトにしたそうな。とにかくフライトシューティングに触れてもらおうという意図が込められているワケだ。ちなみに、ティザームービー第2弾公開時に「ゲームシステムは従来の物を採用している」とアナウンスを出したのはこの点も関係しているかもね。
 あと、『バトオペ』もご新規さん開拓――ガンダムゲーのユーザーが固定化しているのを解消したいという意図もあってF2Pソフトになったそうな(ユーザーの固定化ってのはエスコンも同じか?)。

操作で挫折する人をいかに減らすか

 ただ、ご新規さんを呼び込むにしても、「フラシューは操作が難しそう」というイメージがあるのでそれをどうフォローするかが『エスコンINF』の1つめの課題になるだろう。
 視野を広げれば、同人ゲームでフライトシューティング入門者向けソフト『間違った社員教育というのがリリースされている。

 『社員教育』は「プレイヤーに(ガールズトークを聴きながら)操作方法から基本的なミッションの攻略方法を無理なく習得してもらい、そこから更に他のフラシューにも挑戦してもらおう」という狙いで作られている。

Togetter – 「間違った社員教育」に見るフライトシューティングゲームの入門プロセス・遊び方考察と難易度設計よもやま談義
「とっつきにくい」「難しそう」と言われてきたフライトシューティングゲーム。入門タイトルとして発売された「間違った社員教育」()を遊んだプレイヤーと制作チームによる解説。

 『エスコンINF』はご新規さんをはじめの一歩で挫折させずに本編へ進ませ、更にフラシューに興味を持たせるような導線を用意出来るだろうか?(「興味を持たせる」の部分は、我々シリーズ経験者の課題でもあると言える)

課金要素を「利用しない権利」も保障するべし

 バンナムというと不安要素であるのがDLC・課金要素。『エスコンINF』も『バトオペ』と同じく「課金利用者が有利になるシステム(Pay to Win)は避ける」をポリシーとしているという。
 機体についても言及されているが、

  • 少なくとも実在機体は全て無課金で手に入る。
  • 架空機の扱いは検討中。
  • 課金アイテムとしては機体のペイントやエンブレムがある。

――とのこと。架空機に関しては、課金をやるとしてもすぐアンロック出来るだけで最終的には全てのプレイヤーが入手出来るって感じにするべきじゃないかな?

 また、過去作品のDLC機(スペシャルカラー機)の中には性能が特殊な物も存在しているわけだけど、もし『エスコンINF』でもDLC機やアイテム(スキル)を課金アイテムとして配信するのなら、課金要素使用のオン・オフを設定出来るようにするのがbetterだと思う。『アサルト・ホライゾン』の対戦を例にすると、

  • まずDLCそのものの利用のオン・オフ設定。
  • DLC機体・DLCスキルそれぞれの利用も設定出来るようにする。

――を対戦部屋の設定で細かくやれるようにすれば良かったかなと(一応互換データパックの有無で制限を掛ける事は出来たが分かりにくかった)。

 課金要素を利用するのはプレイヤーの自由だけど、課金要素を「利用しない権利」もシステム上保障しておく――「住み分け」を行えるようにするべきだと思う。使える要素全てを駆使して勝利を目指すのもゲームの在り方の1つ、特定の状況下での戦術を考えるのもまた楽しみ方の1つでしょう。

機体ランクの設定は『エースコンバット6』並に

 ついでに書いておくと、対戦における機体ランクの設定は『エースコンバット6』のように

  • LV.1(実在機・低レート)
  • LV.2(実在機・中レート)
  • LV.3(実在機・高レート)
  • UNLIMITED(架空機)

――とした方が色々無難だと思う。『アサルト・ホライゾン』のHIGH・LOWのみという分類はアバウト過ぎたと思うので。

どっちのPay for Time?

 インタビューではPay for Timeの導入も示唆されている。

いわゆるスタミナ課金制(出撃するのに必要な燃料を購入するシステム)もこのひとつですが、週末しかプレイできない人が、効率良く時間を短縮するためにするといったもので、無料プレイでは出撃できないということではもちろんありません。

――とあるけど、『バトオペ』のようにプレイ時間を増やす物(スタミナ課金制)ではなく、『ドラゴンクエスト10』の元気玉(一定時間獲得経験値やゴールドが増える)のシステムなのか?
 そもそも、『エスコンINF』は経験値を稼ぐことで機体やオンライン共同戦役モードとかがアンロックされていく方式? 機体については『エースコンバット5』の「ファミリー系統」「キルレート」を再利用するってのも考えられる(でもそれをやると機体のモデリング作業が大変そうだ(汗))。

縛りが緩いことで逆に何が出来る?

 インタビュー後半に「F2Pは多くのユーザーが“飽きて終わり”とならないようにサービスを続けていかねばならない」という旨、またパッケージソフトは全方位に向けた内容にしなければならないがF2Pはその辺の縛りが緩いというニュアンスの事が書かれているけど、フラシューではどんな事をやれるかね?
 新規ミッション、既存ミッションに特別ルールを加えた物、または『Happy Wars』のようなコンセプトマッチ。あとはリソースに余裕があれば「Ace of Aces」の復活もあるか?

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